西江千戸苗寨せいこうせんこみゃおざい

　西江千戸苗寨はミャオ族トン族自治州凱里市雷山県東北雷公坪のふもとに位置する。凱里から３６キロ離れ、計１２５８世帯、５，０００人あまりが住んでおり、ミャオ族の人口が総人口の９８・２％を占めることから、「千戸苗寨」と呼ばれている。
　「ミャオ族最大の集落」といわれるこの村は、川に臨む小高い山に位置している。遠くから眺めると、木造の高床式の吊脚楼ばかりの大集落が山一面に見渡せる。古い家並みは山の斜面に幾重にも重なり、肩を寄せ合うように連なっている。
　西江千戸苗寨は世界最大のミャオ族集落で、文化蓄積が厚く、ミャオ族文化の典型的代表となっている。西江の銀細工職人が製作した銀飾品は、種類が多く、精巧な造りのもの。西江ミャオ族の刺繍には、平繍（ひらぬい）、皺繍、纏繍など１０余種類があり、なかでも「双針鎖繍（くさりぬい）」は漢代から伝えられた技工。西江千戸苗寨の銀飾り、刺繍などの工芸品は、国内外の博物館で競って収蔵されている。
　近年、中国民族博物館の専門家の援助の下で、研究と観光を一体にした原生態ミャオ族村落博物館、ミャオ族歴史文化研究基地、中国最大の銀職人集落およびミャオ族刺繍（ししゅう）芸術センターなどが建設された。